HOME | 事件 | 社会 | 芸能 |Movie |新聞・雑誌 | お絵かき | Essay | Memo | Book |スポーツ |お気に入り | 不思議






















  卯月妙子の「人間仮免中」、このマンガの迫力にたじろぐ

                                          2014年 9月07日 20:17

 


       ログ


 ・卯月妙子の「人間仮免中」
 ・ドラマ・高校教師が麻薬王
 橋本聖子,大輔に無理チュー
 ・ボブ・サップ「野獣の怒り」
 ・小5女児監禁・藤原武の夢
 298人が散ったマレーシア航空
 新宿歌舞伎町・集団昏睡事件
 ・ゾンビの役所公司『渇き。』
 「絞殺魔」と超能力探偵者
 塩村文夏の涙にだまされるな
 恐怖の支配・福岡筑後猟奇殺人
 鬼女4人の新宿集団暴行事件
 ・片山祐輔にみごとだまされて
 ・PC遠隔操作事件の小保方銃蔵

 テロ組織女子生徒276人拉致
 ・吉田有希ちゃん事件に犯人

 
        
 ・小5女児監禁・藤原武の夢
 ・恐怖の支配・福岡筑後猟奇殺人
 ・鬼女4人の新宿集団暴行事件
 ・「凶悪」でリリー・フランキー
 ・ベートーベンが泣く佐村河内守
 ・宇多田ヒカルの結婚過熱報道

 ・ゼログラビティの感動をゼロ 
 ・阿部利樹の奇妙すぎるキャラ
 ・バレンティン選手「DV騒動」
 桝添要一スキャンダルに負け

 ・吉松育美・ストーカー事件
 ・郷ひろみ、双子の父となる
 ・綾瀬はるかの笑えた紅白歌合戦

 ・「黒子のバスケ」事件の終結
 ・黒子のバスケ事件36歳男逮捕
 ・今週のバカに朴槿恵で不快感


 
        


     



  
   卯月妙子

  「一日は一撃だ」
 という言葉から統合失調症を患う卯月妙子の『人間仮免中』という漫画は始ま
 る。2002年に刊行された「新家族計画」の2巻以来,10年ぶりとなる描き下ろし
 単行本。

 一人の女性が自宅を出て歩道橋の階段を上がり、歩道橋から飛び降り自殺
 をする。
 そこまでの動きに合わせて、寺山修二の「ロング・グットバイ」の詩がマンガの
 コマに重ね合わせて書かれている。

 一日は一撃だ クビと雇用 愛と裏切り 二日酔いと生命保険 鬼ばばと一人
 息子の駅から駅へ! 
 ポー!ポー!ポー! ポー! ポー! 

 自殺は、顔面から地面に突撃した形で、未遂で終わる。これが本人の実録マン
 ガであるところが、マンガの表現自体はヘタの部類に入るのだが、異様な迫力
 を感じさせている。
 
 そして、内容は重く一般の受けは得られないようにも思えるのだが、出版後、
 続々と反響があらわれ、高評価を得ている。
 「このマンガがすごい!2013」でオトコ編3位、「本の雑誌」が選ぶ2012年度ベス
 トテン第1位、「THE BEST MANGA 2013このマンガを読め!」第2位など・・・

 その自殺の結果を、医者はこのように説明する。
 「口から落ちたので衝撃で粉砕骨折しました。 顔面が数十か所、複雑骨折し
 ていて衝撃で鼻の奥の骨が砕けて出血が止まりません」
 「幸い頸椎と脳には損傷がありません 体はどういうわけだか無傷です。です
 が急いで処置しないと確実に死にます」

 ストリーは2年前にさかのぼる。
 なじみの客が集まっている酒場で、みんなでワイワイ乗せて、一人の客を裸
 にする。
 その後、卯月は「まんだら屋の良太」のマンガをその男の肌に描く。
 ボビーと呼ばれる遍歴すぎたおっちゃんも、卯月のマンガに「『まんだら屋の
 良太』は名作ですね〜」
 と言いながらその男性のお尻に「野菊のバカ 伊藤左千夫 」と落書きをする。

 卯月は何でこうセンスが合うんだ・・・と、ボビーの落書きに感激し唐突に
 「どうかわたしめと交際してください」と懇願する。
 ボビーは「血迷うな卯月さん・・・・ こんなクソジジイなんかと」と、ためらう。
 年が25歳も離れているから。ちなみにボビーは愛称で、石原という日本人。
 卯月は「おいらは五体満足だけど頭の中が病気で能力はとっくに遍歴過ぎて
 いる」と答えて、その年の差を気にしない事を伝える。

 その年の差での恋愛もすごいと思うが、そもそも卯月妙子の人生そのものが、
 波乱万丈もいいところ。
 最初の自殺は中学3年生だったという。
 歩道橋でのダイビング自殺の前には、ストリップでダンサーをしていた時に客の
 見ている前で、ナイフで首を切る自殺も起こしている。これには、ストリップ劇場
 の客は相当に驚いた事であろう。

 卯月妙子は、AV女優もやっていて、排泄物や嘔吐物、さらにはミミズを食べる
 マニアックなビデオにもでている。
 それは、みごとな食べっぷりで、お金の為というより、普通に生きることをどこか
 で放棄しているような、迫力を産んだ映像だった。

 ちなみに、そのスカトロ系のビデオは、今「ロボ・ゲイシャ」などの一般映画でも
 活躍している井口昇が監督していた。
 その件は、マンガの中で卯月がボビーとケンカする場面にも会話に出てきて、
 なかなかせつないものがある。

 酒に酔った二人がタクシーに乗る。
 機嫌の悪いボビーが「おいこら小僧 おめーどうせ 前衛だとか思って うんこ
 喰っていたんだろ?! ああ?! 卯月妙子!!」と、つっかかる。
 卯月は「・・・んだとコラァ てめえに俺の何がわかる?! ああ?!」 ボビーも
 さらに「女に啖呵切られたのは初めてだ!?」と、やり返し、家に帰るとボビー
 に「出てけ目障りだ!?」と言われてしまう。

 卯月は、再度、家を出てタクシーに乗る。今度はタクシーの中で卯月がタバコ
 を吸っていたことから、タクシーの運転手とケンカになる。
 彼女は運転手を殴って、運転手が警察に駆け込む。アパートに戻った卯月、
 「薬いっぱい飲んで死んでやる」と、薬をガブ飲みし、救急車で運ばれる騒動と
 なる。

 一つ一つのエピソードがまた、激しくて一般の人の何倍も濃い人生を送って
 いるかのようだ。
 ボビーは、彼女が歩道橋から自殺した後に結婚を申し込んでいる。

 お母さんが「こんな・・・・障害者の娘をもらって下さるなんて・・・・」と恐縮すると、
 「障害なんて関係ありません どうかお嬢さんをください!!」
 まさに、ボビーの真に心のこもった「お嬢さんをください」には、今までの色々な
 出来事を読んだ後では、思わず涙ぐんでしまうようなワンシーンであった。

            

  

 




☆☆☆ 気に入ってくれたなら、クリックお願いします。他の方のいろいろな作品にもつながっています。 ☆☆☆






inserted by FC2 system