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  全米記憶力選手権で優勝の著者とレインマン

                                        2013年01月05日  14:12

 
      
       
       ログ


 記憶力選手権の著者とレインマン
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 記憶力が落ちていることを日々感じている。
 だから、記憶力・および自分の思考能力に関しては、月日と共に思いもよら
 ぬ速さで退化していくのではないかという恐れを持っている。

 恐れを持つ事は興味にもつながる。
 そのせいか、最近読んだ本は1年で全米記憶力チャンピオンになれたという
 ジャーナリスト、ジョシュア・フォアの本。
 本の題名は「ごく平凡な記憶力の私が1年で全米記憶力チャンピオンになれ
 た理由」

 2011年3月にアメリカで発売されるや否や、同月のアマゾン・ドットコムのブッ
 クランキングで2位、『ニューヨーク・タイムズ』紙のノンフィクション部門のラン
 キングで3位に入るなど、またたく間にベストセラーになり、5月にはコロンビ
 アによる映画化も発表されたという。

 特に記憶力がいいとは思っていない一人の青年が、1年で記憶力の選手権
 の大会にチャレンジするまでになるというその、不思議さ。そして記憶力とい
 うのはトレーニング次第で、チャンピオンになれるというインパクトもすごい。
 もちろん記憶力を高める為の方法論も面白かった。

 そしてこの本は、記憶力を高める為のマニュアルではないので、いろんな
 角度から、記憶力に関して考察した事、体験した事を記述している。

 その一つに、元々記憶力が人よりずば抜けてよい人、「サヴァン」と呼ばれる
 人に関しても、ページを割いている。
 ごくまれな存在で、20世紀に存在したサヴァンは100人に満たないと作者
 は書いている。彼らは無意識のうちに記憶する。そして重度の障害がある
 ことが多い。

 サヴァンの症例として、ジョシュア・フォアは以下のように紹介している。

 例えば、レスリー・レムクは盲目で脳に障害があり、15歳まで歩くことができ
 なかった。それでも、たった一度聞いただけで複雑なピアノの演奏を弾くこと
 ができる音楽の天才だ。アロンゾ・クレモンスはIQは40だが、動物をひと目
 見ただけでその姿を記憶し、本物そっくりの彫像を作ることができる。

 19世紀には、耳が聞こえず、口もほとんどきけないが、驚くほど複雑な模型
 船を創ることができ、「アールズウッド保護所の天才」と呼ばれたジェームス・
 ヘンリー・プレーンなる人物もいた。

 その後のサヴァンの症例の紹介で、おもいがけない映画を思い出すことにな
 る。トムクルーズとダスティン・ホフマンが出演した「レインマン」だ。
 『レインマン』(原題: Rain Man)は、1988年公開のアメリカ映画。
 
   レインマン
   映画 『レインマン』より トムクルーズとダスティン・ホフマン

 第61回アカデミー賞と第46回ゴールデングローブ賞、さらに第39回ベルリン
 国際映画祭においてそれぞれ作品賞を受賞している。
 自由奔放な青年と、重い自閉症の兄との出会いと人間としての変化を描いた
 ヒューマンドラマだ。

 その「レインマン」にダスティン・ホフマンが扮する自閉症(サヴァン症)の人物
 が出てくる。
 そのキャラが、あまりにも異様な能力を持つので、それは創作されたものとし
 てぼくは映画を見ていた。実は実在のモデルがいるという。世界一の記憶
 力を持つと言われている。

 映画『レインマン』の脚本家バリー・モロウ氏とキム・ピークが出会ったことか
 ら映画となった。
 脳に傷害を持って生まれたキムは、医師から「読み書きは不能、社会には出
 られないだろう」と宣告されたが、2歳になるまでに読み書き、本の暗記まで
 できる能力を見せたという。
 
   キム・ピーク
   キム・ピーク

 映画でレイモンドを演じたダスティン・ホフマンは役作りのためにキムと共に
 時間を過ごし、その行動を真似たが、キムと別れる際には彼に「僕がスター
 (星)なら、君は大空だね」と愛情の言葉をかけたという。

 キム・ピークはさながら歩く百科事典。9000冊以上の本を丸暗記していて、
 米国の都市や町をつなぐ幹線道路を空でいえる。すべての都市の市外局番,
 郵便番号,その都市をカバーするテレビ局や電話会社名も記憶している。

 だれかが自分の誕生日をいえば,それが何曜日だったか,そして定年を迎
 える65歳の誕生日は何曜日になるのかをたちどころに教えてくれる。
 またどんなに古い曲の題名も言い当てられる。しかも作曲された年月日,
 初演日,作曲者の生誕地に誕生日,死亡した日まで知っている。
 彼は、2009年12月19日、58歳で心臓発作で亡くなっている。

 そのキム・ピークに作者が会いに行った時の様子がかかれている。
 映画好きなぼくとしては、まるで「レインマン」の舞台裏を見ているような気持
 ちになり、個人的にとても面白かった。

 キム・ピークの父であり、介護者であるフランが「彼は忘れるということがあり
 ません」と言っている。
 9000冊以上の本を1ページ約10秒のスピードで読み(左目が左のページを、
 右目が右のページを読む)その内容を全て憶えている。シェイクスピア大全集
 も、クラシック音楽の有名な曲のスコア(総譜)も覚えている。
 
 最近観た『十二夜』の舞台では、ある役者が台詞の順を入れ替えてしゃべっ
 たため、キムが大きな発作を起こし、劇場は証明をつけて舞台を中断せざる
 をえなくなったという。

 ジョシュア・フォアはキムの見た目をこう表現している。

 キムは見るからに異質さを感じさせた。銀髪で、熊のような体つきをしていて、
 プラスチック製の分厚い茶色の眼鏡をかけている。頭はだいたいいつも45度
 の角度で横に傾いている。そして片方の手でこぶしを作り、それをもう片方
 の手で覆っていて、興奮すると手を開いたり閉じたりする。世界で彼ほど会話
 の中に故事やことわざ、誰かの名言などを差しはさむ人はいないだろう。

 彼の頭の中は事実と数字であふれていて、そういった情報が脈拍なく―――
 彼の中ではつながっているのだが―――次から次へと出てくる。

 ジョシュア・フォアは、アメリカ合衆国西部・ユタ州の高齢者施設のレクリエー
 ションルームにいたキムを訪ねている。

 その施設で、あるアルゼンチン女性がキムにコルドラ生まれであることを話す
 と、キムは瞬時に彼女の故郷に通じる主要道路の名前を言い、「アルゼンチ
 ンよ、泣かないで」と歌い始めた。その時、ジョシュア・フォアはなんとも言え
 ない不快な思いを抱いたという。

 そこの心情が僕には今一つつかめない。
 歌が音痴だったのか?それとも、能力の自慢気さが鼻についたのか?演出
 臭さに腹が立ったのか?
 もう少し言葉で説明してほしかった。

 続いて、キム・ピークは唐突に「君はクビだ!」と叫んだ。彼の父・フランクが
 説明してくれた。アルゼンチンのファーストレディ、エバ・ペロンの生涯を描い
 たミュージカル映画『エピータ』の中でその歌を歌っていたのが主役のマドン
 ナ。そのマドンナとかつて恋仲だったのが、バスケットボールのスター選手デ
 ニス・ロッドマン。

 そのロッドマンは、1999年にロサンゼルス・レイガーズから解雇された・・・・
 そういった一連の情報をキムは瞬時に思い出したのだという。

 キムは、この10年間(作者が会ったのが、2006年と思えるので、1996年
 頃からか?)平日のほぼ毎日を、公立図書館で電話帳を憶えて過ごしてい
 るという。
 なぜ、電話帳なのか?

 電話帳を憶える、もしくは眺める目的が結果的に完全な暗記であるとしても、
 もう少し読んでいて面白い本を対象にしてもいいように思うのだが、どうなの
 だろう?毎日、電話帳を憶えて過ごす事をもし強制されたら、彼以外の人に
 とってはうんざりする行為以外のなにものでもないだろう。むしろ、地獄であ
 る。

 おそらくキムは世界の誰よりも膨大な知識を手に入れることができるが、知識
 を何かの目的のために使うことは、世界中の誰よりも苦手だろう。IQは87。
 礼儀作法の本をどんなにたくさん記憶しても、社会的な作法は―――好意
 的に言っても―――彼にとって難解なものだった。

 その、1例として作者はこのようなエピソードを紹介している。
 ソルトレイクシティの公立図書館のロビーの人混みの中、キムは、立ったまま
 ジョシュアの肩に太い腕を回して自分の腹部を密着させ、腰をくねらせると、
 「ジョシュア・フォア、君は最高、最高だよ」と、通行人がギョッとするような大声
 で彼に話しかけた。そして「君はカッコいいよ。今どきの男の中でナンバーワン
 だね」と言うと、低いうめき声を発したという。

 そしてこのキム・ピークの卓抜した能力に、科学者らの熱い眼が注がれてい
 た事がX51というサイトに出ている。彼が示す能力は、あらゆる人間が持つ、
 潜在的な知的能力の秘密を切り開くきっかけになると推測されているからと
 の事。

 「ピークの示す能力は、我々人間の脳が、実は我々自身が考えているより
 遙かに柔軟であることを物語っていると思います。他の多くのサヴァンと同じ
 く、ピークは脳のある一部分に欠陥を抱えています。しかし、彼はその代わり
 に、全く別の領域で驚くべき能力を獲得しているわけです。

 これは、実は我々人間は誰もが、まだ知られていない秘められた潜在的な知
 的能力を有していることを示しているのではないでしょうか。
 ピークやその他のサヴァンについて研究することで、我々は如何にしてその
 能力を得られるのか、何か手がかりを知ることが出来るのではないかと考え
 ているわけです。」
 精神科医のダロルド・トレファート氏はそう語っている。

 ところで、キム・ピークとは異なり、「サヴァン」を売り物にし、それをマスコミ
 などを利用して商売にしてはいるが、実は記憶力のトレーニングで身に着け
 たであろうと疑われる人物も本の中に出てくる。

 このように、本人が全米記憶力チャンピオンになれるまでの軌跡を中心に、
 記憶力が関係した、エピソードがたくさん出てくる。それが面白い。
 ページ数も多いのだが、夢中で読んでいるうちに2日くらいで読み終えてし
 まった。

 そして、この本は、自分も記憶力開発のトレーニングをしてみようと思わせる
 ところがいい。知的な刺激も含まれていて、内容も面白い。
 『この本はもっともっと評判になって、みんなに読まれるべきだなぁ』と僕は
 思っている。

            
  

 参照:右脳の天才 サヴァン症候群の謎
     九千冊の本を暗記する男 ― サヴァン症候群とは
     実在の『レインマン』キム・ピークさんが死去

    
 


 



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