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  梶原一騎自身が『新巨人の星は、失敗作』とは言うものの

                                          2011年10月10日 22:20

   


  
    ログ

 原作者が新巨人の星は失敗作
 安藤美姫今回がラストダンス
 ・金が欲しくてやった安藤健治
 ・塩水湖にて1200人の全裸撮影
 ・東電OL殺人事件は冤罪か?
 ・パンツの穴篠崎愛主演で復活
 ・高倉健の6年ぶり次回作情報
 ・発想嬉しい古賀新一の変身妻
 ・紳助引退劇ネタで強請られて
 ・小林旭の「赤い夕陽の渡り鳥」
         
 ・紳助をあぶりだした渡辺二郎
 ・女子大生モデル殺害の丹羽雄治
 ・盆・連日4千人超ねぶたの家
 ・ぴあ最終号は、イラスト祭り
 ・猪木にマジ切れ・泉谷しげる
 ・犯人ホステス高間美花の愛憎
 ・演技に涙が出たスーパーエイト
 ・モノクロ映画を見たくて・情婦
 ・忘れられないトラウマ映画
 ・特殊能力の戦い「X-MEN」は
         
 ・トヨトミ万城目学の創作の原点
 ・美人整体師と友人の共謀殺人
 ・キック・アス対マチェーテは
 ・ブルース・リーと連続殺人犯
 ・小林カウ・モデルの天国の駅
 ・協力の依頼・板橋資産家事件
 ・心理映画・ブラック・スワン
 ・貧乏クジを引いた綾瀬はるか
 ・米国の小学校で食堂にカメラ
 ・エネルギー推進で孫が菅激励

 
   

 
    


 
 こんばんわ。サメです。
 新巨人の星を、古本屋で見つけて買った。
 これは、新巨人の星のアンコール刊行をいうことで、講談社から発行されて
 いる。
 新巨人の星は、週刊読売で、1976年から3年間、連載された。

 「飛雄馬VS左門豊作の執念!?」
 というタイトルがついている。でも左門豊作って太り過ぎだし笑わないし、キャラ
 として親しみをまったく感じさせない。これは、タイトルに「新」がつかない前作の
 ときから、同じ。

 ● 女をとるか男の友情を取るか
 読んでみて面白かったのは、恋愛の部分。
 伴が好きになった女優が実は飛雄馬を好きになっていて、飛雄馬の好きな
 女性もその女優・鷹ノ羽圭子、ということで、『女をとるか男の友情を取るか』と
 いう選択になる。

 伴が早く気がついて身を引けばすむことなのだ。
 そこに飛雄馬のガンコ一徹の親父さんまでが、からんでくる。

 「どんな気分じゃな色男?」
 「エッ どんな気分か言うてみい」
 「片想いのつもりで悶々としとったらじつは先方の心も自分にあったちゅう望外
 の心境は?」
 などと、嫌味たらたら・・・・まるでやくざの親分のような風格で息子に心境を尋
 ねる。

 飛雄馬もいい年をして、何も親父さんに「女をとるか男の友情を取るか」などと
 という相談をしなくてもいいのに。
 ガンコ一徹・理想主義の親父さんに聞いても出てくる答えは前時代的な発想
 しか聞けないのは分かり切ったこと。

 これは、男としては『心の優しい、綺麗な女性として描かれている女優・鷹ノ羽
 圭子を取るに決まっているではないか!』と、思わせといて、何か違う方向に
 物語は進んでいく。

 さて、その飛雄馬のいくつになっても清純すぎる不思議な恋愛話は置いとい
 て、「巨人の星」という漫画について。

 巨人の星は、野球漫画なのに野球というスポーツを通して人生を描いている。
 そこが他の漫画と違っていた。
 それに、魔球の発明や、体を酷使するトレーニングの凄さ、飛雄馬という地味
 なキャラクターに対して、御曹司の花形満の面白さ。
 まあ、いろんな要素がミックスして、とても完成度の高い傑作漫画が登場した。
 
 ● 何も描きたくなかった
 そして、「新巨人の星」のスタートに先立つ予告には、こう書かれていた。
 <『巨人の星』を少年編というなら、こんどの『新巨人の星』は、青年、成人向け
 の豪華巨編劇画であり、海の沈黙、海の声、人の心の凪(なぎ)、嵐ともいう
 べき、力あり、恋あり、人生一代抒情詩ともいうべき圧倒的な名作となるであ
 りましょう>

 しかし、新巨人の星は、ぼくには、その漫画が出た当時、「巨人の星」という
 名作のおまけのような気がして仕方がなかった。

 でも、ひさびさにその新巨人の星を再読すると、それぞれのなじみのキャラク
 ターと出会えた懐かしさもあり、今回買ったのは400ページもあって分厚かっ
 たのだけど、一気読みをしてしまった。
 底に流れるいつもの昔風の固い考えはそのままだし、そこが逆に面白くもあっ
 た。

 『新巨人の星は失敗作だった』、とは、原作者の梶原一騎自身が、本人の著作
 で語っている。
 また、新巨人の星のスタートにあたって、梶原は、漫画は前作に続いて、川崎
 のぼるを指名した。川崎は初め、これを断った。
 そのへんの事情を以下、斎藤貴男の梶原一騎伝から抜粋していきたい。

 川崎のぼるはこのように語った。
 「当時の僕は、『少年マガジン』にオリジナルの『フットボール鷹』を、『サンデー』
 に小池一夫さんと組んだ『ムサシ』を連載していたんです。三本目の週刊連載
 など、とても考えられる状態ではありませんでした。それに僕の中の『巨人の星』
 は、すでに終わっていましたから」

 それで、梶原は仕方なく他をあたるが、結局、新巨人の星の作画はめぐりめぐっ
 て川崎のぼるに戻る。

 「私自身も再び燃えてみたい」
 前記の予告にそんなコメントを寄せていた川崎は、『新巨人の星』が始まって
 週刊三本連載が現実になると、燃えるとか燃えないとか以前に、ただひたす
 ら毎週の仕事をこなしていくだけで精いっぱいになったという。

 かつて全身全霊を打ち込んだキャラクターたちの成長した姿をいくら描いても、
 川崎はあの頃の充実感を取り戻すことができなかった。
 「締切りに間に合わずに、原稿を落としたこともしばしば。それまでの私は、
 絶対そんなことはなかったのにね。常にこれじゃまずい、これじゃいけないと
 ばかり考えていたような気がします」

 飛雄馬はやがて、右腕までをも禁断の大リーグボールに捧げる。リーグ優勝は
 しても日本シリーズには勝てない巨人軍を、再び己の力で日本一にするために。
 その魔球はまたもや一敗地にまみれるが、しかし飛雄馬という不死鳥は、さらな
 る大リーグボール右2号を夢見ていた------。

 二年半ほど続いた連載は、唐突にこんなところで終わっている。疲れ果てた川崎
 が、梶原に中止を申し入れたためだったという。
 原作者が失敗と認め、漫画家も疲れただけではなく、深い哀しみばかりを感じて
 「もうこれ以上、何も描きたくなかったんです」と、言わせた。

 でも、ぼくには『新巨人の星』は楽しめた部分もあり、こうしてまた発行されたと
 ころをみると、ファンも多くいたということの証拠だろう。

 時が経ち、再読するとこの作品に対して別の想いもわいてくる。
 それに、川崎のぼるの漫画の絵が改めて本当に綺麗だ。黒と白のバランスが
 絶妙だ。
 今後も、新巨人の星の続きも読んでいきたいと思った。

            

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