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  女教師「マドモアゼル」の孤独と屈折した不満
      

                                          2013年04月13日  18:16

 
 

        ログ

 女教師・マドモアゼルの孤独
 陳双喜の江田島8人殺傷事件
 「完璧な尻」に出逢った物語
 ・角田美代子尼崎猟奇連続殺人
 ・怪事件・コンクリート詰め遺体
 ・藤本亮介死亡事件と石元太一
 ・藤本亮介死亡クラブ乱入事件
 松井康子逮捕!M資金詐欺
 ・綾部祐二と若貴の母と美人妻
 ・崖っぷちの男・高所恐怖症?
 ・スーパ強盗殺人・中国人犯人を
 ・長谷川さん殺害の動機は借金
 ・菊地直子の次は高橋克也逮捕
 ・沢尻エリカの大麻・中毒報道
 ・長谷川かなえさん殺害・深い謎
 ・あびる優の母貴美子ブレーク
 ・中川翔子下着姿・再審請求麻原
 ・北原みのり・木嶋佳苗とは?
 ・女性脱ぎ暴れる・安岡力也死去
 ・郷ひろみ24歳年下と再々婚

          




     

   ◎マドモアゼル    (原題:MADEMOISELLE)
   
   監督:トニー・リチャードソン  脚本 ジャン・ジュネ      1966年/イギリス・フランス/102分
   出演者: ジャンヌ・モロー、エットレ・マンニ 、キース・スキナー

 
   マドモアゼル_ジャンヌ・モロー

 森の中で美しい女性が、地面に這いつくばって、男の作業靴に口づけしてい
 る。 男は木こりで、女性は教師、演じるはジャンヌ・モローだ。
 まだセックスすらよくわかってない中学生の筆者が、この映画『マドモアゼル』
 (六六年)をテレビ映画で観た時の衝撃を想像して欲しい。


 という、実にイメージが広がっていくすばらしい出だしで、映画『マドモアゼル』
 に関しての文章を書いているのは、町山智浩氏。これは、町山氏の「トラウマ
 映画館」という本の中の一文。

 この本の影響力はすごいものがあって、『マドモアゼル』も別の1967年制作の
 アメリカ映画『ある戦慄』も、この本で取り上げられたのをきっかけに、日本で
 DVD化されている。

 『マドモアゼル』という映画、町山氏のこの映画に書かれている文章があまり
 に面白いので、つい、ぼくは期待しすぎてしまったようだ。

 まあ、あきれるくらい、この映画の女教師は屈折している。
 火はつけるは、飲み水に砒素を入れて家畜動物を殺すは、男にひざまづいてい
 ながら、うわべは貞淑を装うわで、まさに現在、有名になっている女性犯罪者を
 幾人もミックスしたような複雑な性格。
 
 でも、それだけ犯罪を犯していたら、もう少し誰かが目撃していてもよさそうだ。
 彼女は女教師で犯罪のプロではないのだから。

 この映画の屈折したドラマの脚本家はフランスの鬼才ジャン・ジュネ。
 ジャン・ジュネの生きた軌跡を考えると、このようなドラマを作る背景を想像する
 ことができる。以下、再度、町山智浩氏の「トラウマ映画館」から。

 ジュネほど壮絶な生き方をした作家も少ない。生まれて七ヶ月後に母親に孤児
 院に棄てられ、少年期からヨーロッパを放浪し、女装の男娼、窃盗、麻薬など
 犯罪を繰り返すうちに逮捕される。しかし、自伝的小説『花のノートルダム』が
 ジャン・コクトーに絶賛され、サルトルなどの嘆願書によって終身刑を免れた。

 『マドモアゼル』はジュネの少年時代に基づいている。赤ん坊の彼はパリの孤児
 院から、アリニィ・マン・モルヴァンという人口千六百五十人の山間の農村に送
 られた。あまりに貧しい村なので、孤児に支給される養育費目当てで養子を取る
 家が多かった。
 その村で過ごした思い出はジュネの作品すべてに影響を与えている。八一年の
 インタビューで彼は「創造するとは、つねに幼年時代について語ることだ。それは
 つねにノスタルジーなのだ」と答えている。

 ちなみに、ジュネはアリニィ・マン・モルヴァンで木こりの夫婦の養子となっている。
 これは、映画でマドモアゼルがひざまづく男の職業が木こりであることから、この
 映画は確かに、彼の幼年時代の記憶が基となっているようだ。

 ところで、この映画、「マドモアゼル」と呼ばれるこの女教師に感情移入するには、
 ジャンヌ・モローが少しふけすぎていると思う。
 演じたときは38歳とのこと。
 もっと配役を変えて、映画化してもいいように思った。

 でも、監督のトニー・リチャードソンは、ジャンヌ・モローがとてもお気に入りだっ
 たようだ。この映画の撮影中に彼女と恋に落ち、妻のヴァネッサ・レッドグレーヴ
 と離婚した。リチャードソンは1991年にエイズで亡くなった。彼はバイセクシャル
 だった。
 死を看取ったのはジャンヌ・モローだった。

 この映画は、モノクロ映画の映像の美しさを堪能させてくれる。
 森の中で、突然雨が降り、その雨も気にせず熱情に任せ、肌に水滴がついて
 いるままに抱き合うその映像の綺麗だったこと。
 不満も多いのだけど、もう一度、見たいと思わせる不思議な映画だ。

                 

           

 




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